「今の時代、Webを使って集客・販促するのは当たり前だ!だから当社も・・・」
Webマーケティングの実施を本格的に検討している中小企業のみなさんへ。
この記事では、中小企業のWebマーケティングの現状と成功事例を元に、「戦略の核となる考え方」をお伝えしていきます。
- 何が課題となるのか?
- うまくいっている中小企業の特徴とは?
- Webマーケティングを成功させるために見直した方が良い6つの傾向
など、お役に立つ情報が盛りだくさん(・・・のはず!)
ぜひ貴社のWebマーケティング戦略に活かしてみてください。
中小企業のWebマーケティングの実態
全体的な傾向、気になりますよね。
実は、結構衝撃的な事実が浮かび上がっています。
ニフティ株式会社が全国の中小企業の経営者とWeb担当者に向けておこなったアンケートによると、Webを販促に活用できていると答えた企業の割合は全体の18%。
「活用したいけどできていない(34.7%)」もしくは「活用しようと思っていない(48.7%)」割合の方が圧倒的に高いのです。

<参考URL>https://www.slideshare.net/niftywebhansoku/web-69945463
中小企業のWebマーケティング成功を阻む3つの要因
どうして中小企業のWebマーケティングは進まないのか?課題は大きく分けて3つあります。
- Web運用にみっちり取り組める社員がいない
- Web運用のスキル・ノウハウがない
- Web運用に割く予算がない

外回り行って既存顧客のアフターフォローして、会議の資料作って後輩の指導もしないと!
えーっと・・・新製品のPRをWebでしておけって上司に言われたけど、先にメインの仕事させて!!
せめて、きちんと勉強する時間や機会を設けていただけないでしょうか?セミナーとか・・・
ハイ、もう想像しただけで地獄絵図ですね。
- Web運用にみっちり取り組める社員がいない
- Web運用のスキル・ノウハウがない
- Web運用に割く予算がない
の3つに加えて、多くの中小企業では根本に「Webマーケティングへの理解が社内に浸透していない」という様子が見て取れます。
実際、Webマーケティングってそれなりに大変です。やること満載です。
経験者からしたら「他の仕事しながらWebマーケティングもやれ(そして、なるべく早く結果を出せ、だが教育などにかける予算はない)」と言われることは「24時間戦えますか!?」という、某栄養ドリンクのかつてのキャッチコピーを体現しろと言われているようなモノなのです。

Webマーケティングがうまくいっている事例を見てみませんか?
じゃあ、人材と予算の確保が厳しい中小企業がWebマーケティングなんてムリなんじゃないの!?
と思われるかもしれません。
ですが世の中には、Webマーケティングを成功させている中小企業の事業主さんは確かに存在します。
まずは、そんな「成功事例」を見てみることから始めませんか?
今あなたが思い描いているWebマーケティングのイメージが、空想ではなくリアルに近づくはずです。
Webマーケティングの成功事例その①

福井県敦賀市にある注文住宅新築・リフォームの工務店「株式会社あめりか屋」さんです。
家づくりに関するお役立ち情報が満載のブログをメインに、Facebook・YouTube・Twitter・Instagramなど複数のWeb媒体をフル稼働させて発信を継続しています。
※最近はInstagramの反響が大きいのだとか。ちなみに、社長さん自らWeb運営をおこなっています。
一般の人が分からないような建築の専門用語は使わず、分かりやすい言葉で家づくりのコツを解説。
「後悔しない家づくり読本」などの無料プレゼントもあり、初めての家づくりで色々不安を抱える方にとっては「なんて頼れる会社なんだ!」という印象が強く残るでしょう。
さらには、時折グルメレポやものまねなどオモシロコンテンツを挟み、徹底して「Web媒体に訪れてくれた人に役立つ&楽しませる」という姿勢を貫いています。
(わたしも何回笑ったことか・・・)
そんな、お役立ち情報と社長さんのお人柄(面白キャラ)のバランスが人気となり、集客や成約に結びついているそうです。
Webマーケティングの成功事例その②

美容サロンのマーケティングコンサルを手がける向川利果さんです。
美容業界で長年活動し、接客力・技術力・提案力・物販力などの営業力強化を研究。その蓄積されたノウハウを惜しげもなくブログで発信しています。
セミナーの様子やお客様の声など「人との関係性がリアルに分かるコンテンツ」も充実しており、「向川さんにコンサルを依頼して間違いないだろう!」と確信を持てるWeb媒体となっています。
また、Instagramの使い方も見事です。
美容系アカウントによくありがちな、髪型や美容アイテムの画像を並べるのではなく、サロンマーケティングのコツをデザイン文字で表現しています。(=差別化ができている)
このように、細部まで妥協せずに作り込んだWeb媒体から、お仕事の依頼が次々と舞い込んでいるそうです。
Webマーケティングの成功事例その③

福井県内に複数店舗を構えるとんかつ店「天膳」の店主、天谷健二さんです。
店舗の運営に大半の時間を割くため、最もWebマーケティングに取り組む時間がシビアと思われる飲食業界。
そんな中、SNS(Facebook)を使ったファンマーケティングで繁盛されています。
フォロワーさんに新メニューの名称を考えてもらう企画をおこなったり、投稿されたコメントに1通1通丁寧に返信したり、とにかく「温かいコミュニケーション」を大切にしたSNS運用が特徴。
天谷さんご自身も楽しみながらSNS運用をされており、見ている側が自然と「今度行ってみよう」と思えるアカウントとなっています。
以上、Webマーケティングが成功している中小企業の事業主さんの事例を3つご紹介しました。
今の時点ではまだ「こんなのうちじゃできないよ~・・・」とうっすら感じているかもしれませんが、リアルな成功事例を見ることで気付きや学びがあるのではないでしょうか?
Webマーケティングがうまくいっている企業とそうでもない企業では何が違うのか?
ここまで、中小企業のWebマーケティングに立ちはだかる3つの壁(人材いない・スキルやノウハウがない・予算がない)と、成功事例を見てきました。
一体何が違ってここまで結果に差が出るのか!?
比べてみると、Webマーケティングが進まない中小企業には次の6つの傾向があることが分かります。
- 社内(とくに経営トップ陣)のWebマーケティングに対する理解がない
- Webを使っていきなりセールスしようとする
- 初期の予算(社員のWebマーケティング研修費など)すらも出さない
- コミュニケーションが一方通行の媒体(TVや新聞など)と区別が付いていない
- コツコツ発信を積み上げていくことができない(割と短期間で諦めがち)
- まずは近しい人から応援されよう!という意識が薄い
ひとつずつ詳しく解説していきます。
①社内のWebマーケティングに対する理解がない

中小企業がWebマーケティングを成功させるには、社内、とくに経営トップ陣のWeb活用に対する理解が必要です。
先ほどご紹介した3つの成功事例は、いずれも社長さんご自身がWebマーケティングの仕組みや重要性を理解し、率先して取り組んだことで結果が得られています。
で、若手社員に丸投げするのはやっぱり厳しいです。
Webマーケティングを成功させたいなら、自治体が主催するIT研修などに、中小企業の経営トップの方々は積極的に参加すべきだと思います。
②Webを使っていきなりセールスしようとする

Webの世界で魔法が働くことはありません。商品のセールスページを公開したらいきなり爆売れ!なんてシンデレラストーリーはほぼないです。
※有名企業なら可能性は高いですが、中小企業はもっと工夫が必要です。
現実世界と同じく、Web上には人がいます。
その人たち(見込み客)が貴社の商品を「いいなぁ、欲しい!」と思うまでには、「あなたの会社から買ってもいいよ」という段階になるまで「信頼を構築する期間」が必要なのです。
となると、「信頼を構築するための情報」を先に発信した方がいいということが分かります。
③初期の予算(社員のWebマーケティング研修費など)すらも出さない

「費用対効果が掴みにくいから予算は割けない」と言われがちなWebマーケティングですが、それでもやるからには多少の予算は必要です。
とくに、Web担当になり実際に手を動かす社員には、正しい知識とノウハウを学べる環境を用意してあげましょう。
ホント、IT研修とか探せば絶対どこかでやってますから!
「予算割けないから手探りでやってくれ」は、「教習所の費用出せないから無免許で車を運転してくれ」って言っているのと変わりません。
④コミュニケーションが一方通行の媒体(TVや新聞など)と区別が付いていない

Webの最大の特徴は「双方向のコミュニケーションができる」という点です。
SNSのコメント機能は最たる例ですが、ブログのコメント欄もありますし、メルマガだってメールですから返信できます。LINE公式アカウントも同じです。
せっかく見込み客の生の声を聞き、コミュニケーションによって距離を縮めるチャンスがWebにはあるのに、TVや新聞のように「発信者から受け手に一方的に情報を送るだけ」と捉えているケースが少なくありません。
Webマーケティングのはじめの一歩は、「発信した情報に対して見込みのお客様からフィードバックをもらい、コミュニケーションを楽しむこと」です。
「楽しむ」という意識が薄く義務的にやっていると、結構辛いものがあるかもしれません。
⑤コツコツ発信を積み上げていくことができない(割と短期間で諦めがち)

Webマーケティングを成功させたかったら、最低でも1年間くらいは継続して情報発信をした方が良いです。
そんなにネタないよ・・・と感じるかもしれませんが、「見込み客が抱えるお悩みを解決するコンテンツ」を中心に発信していけば継続できます。
いわゆる、直接売り上げに結びつくわけではないけど、見込み客の貴社に対する信頼性は上がる「お役立ちコンテンツ」です。
逆を言えば、そんなにネタないよ・・・と思うのは「すぐセールスしようとするから」です。
Webもリアルの世界も原理は同じで、信頼を積み上げた先に成約があります。
⑥まずは近しい人から応援されよう!という意識が薄い

Webのもうひとつの特徴に、「支持の度合いが数値化される」というものがあります。
SNSであればフォロワー数、ホームページやブログであれば訪問者数、メルマガであれば読者数などがそれに当たります。
とくにSNSのフォロワー数は第三者からも見える数字であり、社会的証明(多くの人に支持されているなら間違いない!)の心理的効果をもたらします。
さて、Webマーケティングのスタート時は、当然フォロワー数はゼロです。
そこからどう増やしていくか!?が戦略となる部分ですが、まずは「近しい人」に応援してもらうことから始めてみてください。
お付き合いの深いお客様や、交流会などでつながったビジネス仲間。見渡せばリアルの世界で貴社を応援してくださる人たちはいるはずです。
その方々に、まずはフォロワーとなってもらい初動を付けるのです。
「根回しじゃん・・・」と思われるかもしれませんが、近しい人からも応援されないWebマーケティングは、もしかしたら貴社の商品や営業方針自体に問題をはらんでいる可能性があります。
良いモノを良いお心で世間に紹介するのであれば、堂々と「応援お願いします!」と言えばいいのです。
まとめ

- Web運用にみっちり取り組める社員がいない
- Web運用のスキル・ノウハウがない
- Web運用に割く予算がない
この3大課題によって、多くの中小企業ではWebマーケティングが進んでいない現状があります。
しかし成功事例と比較しながら紐解いていくと、「人材いない・スキルやノウハウがない・予算ない」を隠れ蓑にして、実は、
- 社内(とくに経営トップ陣)のWebマーケティングに対する理解がない
- Webを使っていきなりセールスしようとする
- 初期の予算(社員のWebマーケティング研修費など)すらも出さない
- コミュニケーションが一方通行の媒体(TVや新聞など)と区別が付いていない
- コツコツ発信を積み上げていくことができない(割と短期間で諦めがち)
- まずは近しい人から応援されよう!という意識が薄い
という、もっと根っこの部分、「社内の一体感」に課題があることが分かります。
Webマーケティングは、Web媒体が絡んでくるだけであって、普通の営業(アプローチ⇒信頼構築⇒オファー⇒アフターフォロー)となんら変わりません。
WebはWeb、リアルはリアルと分けずに同じと捉えることで、いきなりセールスするやり方から、コツコツ信頼を積み上げていくやり方へと変わっていくでしょう。
貴社のWebマーケティングの成功をお祈りします!
